あいちゃんのほうが本当は甘ったれなんだ

わたしが帰宅すると、ふにゃあと鳴いてわたしにまとわりつくのはあいちゃんだ。すーちゃんは、「おかえんなさい」と出てきて、ふんふんと匂いを嗅ぐとまた元いた場所に戻っていく。
あいちゃんはわたしがすーちゃんを撫でている間、また「ふにゃあ」と甘ったれた声を出してスリスリする。「ボクはまだここにいるよ」という合図。

すーちゃんももちろんわたしにくっついているが、よーく見ているとあいちゃんのほうがわたしを追っかけている時間がはるかに長い。
ベッドでもぴったりくっついて寝ているのはあいちゃんだし、ボールを持ってきてわたしの胸の上に落とすのもあいちゃんだ。すーちゃんはたまにどこかに見えなくなり、床にヘソ天で長々と寝そべっていることもあるし、わたしの顔をナメに来るのは朝方と決まっている。反対に、あいちゃんはわたしが起きるまでかなり辛抱強く待っている。

抱っこは嫌いだけれど、コンピューターをしているわたしの側にくっついているのは、やっと椅子に飛び乗れるようになり、それを伝ってテーブルに上がれるようになったときから変わらない。

うちに来てからちょうど1ヶ月ぐらいたったころ。つまり4ヶ月ぐらいのときのもの。

ほとんど同じヘソ天で同じ場所にいる、先週のあいちゃん。

今回クリスマス前後の2週間だけ、スティーブおじさんのキャッテリーを解約しようかと思っている。お掃除のおばさんに2週間朝晩それぞれ餌やりと猫トイレ掃除をお願いするためだ。

明後日、おばさんが掃除に来るときに話を決めるが、まだほんの少し迷いがある。
あいちゃんだ。
あいちゃんは、ひとにつく猫だ。わたしが夕方帰宅すると本当に喜んでいつまでもくっついてくるのを見てもよくわかる。朝方、お腹のすいたすーちゃんがキッチンのほうに行ってしまっても、あいちゃんはわたしが寝室を出るまで待っていて、一緒じゃないとキッチンにすら来ない。

そんなふうにニンゲンが大好きなあいちゃんが、2週間もずっとすーちゃんとふたりっきりで過ごすのはどうなんだろう…。

全く性格の違う猫が2匹、どちらにも快適な「わたしが留守のときの生活」を選ぶのはとても難しい。

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