あいちゃんの寮生活と食事

日曜日の深夜、つまり月曜日の早朝1時ごろバンコク自宅に到着。

飛行機ギライのわたしは、いつも7時間のフライト後ぐったり疲れてしまう。飛行機の中で全然寝られないのはいつものことだが、このごろではエコノミークラスでもシートTVなるものが常備されるようになり、ヒマをもてあますわたしのような乗客には心強い。おかげで、新着映画3本立て続けに観ていたら、バンコクに着いてしまった。

さて、もちろん時差さえなけりゃあすでに電話していただろうと思うくらいだが、一応ガマンにガマンを重ねて待った。
もちろん、あいちゃんのいるキャッテリーに、だ。

9時になったら速攻で電話。スカイプからなので、国際電話とは言えものすごく安い。どのくらい安いかというと、パースからシドニーにかける正規料金の5分の1だ。

「ありゃ、よっぽど心配なんだねえ」とおじさんに笑われた。
「大丈夫だよ。もし、鳴くようならオフィスの近くのケージに移そうかと思ったけど、元気そうだし。実は、今日もう1匹ラグドールの仔猫が届くんだよ。」

へ？

「4ヶ月のシールバイカラーの男の子。今日から1週間だから、あいちゃんより早く出て行ってしまうけれど、隣のケージにしといたから。まあ社交にいいだろうと思ってね。双方ともに。」

ほう。そういうのはいいかもしれない。月齢も近いから関心もあるだろうし。

「喧嘩防止に、最初は2匹をへだてた檻の部分にはビニール板をはめてあるからね。仲良くなりそうだったら、檻だけにする。一緒にはしないけどね。」

餌はちゃんと食べていますか、との問いに、「それがねえ。生肉食べていないんだけど。カリカリは食べるよ。」
あらま。普段は生肉のほうが好きなんだけれど、どのブランドをやっていますか、と訊くと「Protacat」。ははーん。だから食べないんだ。

あいちゃんはProtacatには鼻もひっかけない。

先代猫を飼い始めたとき、この「冷蔵肉」を買ったことがある。
西オーストラリアのどのスーパーでも、ペット用生肉コーナーで冷蔵されたパックになっている。ただの生肉ミンチではなく、ビタミン、ミネラル、カルシウムなどが配合されているので、生肉だけだと栄養不良になるが、これを食べていれば必要な栄養が摂れるというわけだ。

買ってみたとき、フタを開けたら石灰のような匂いがするのだ。こんなものなのかと思っていたら、何日たっても色も匂いも変わらない。ええっなんで？試しに2週間冷蔵庫に入れておいたら、やっぱり匂いが変わらない。どうも、防腐剤と着色料がはいっているらしい。
必要な栄養素が加えられているからこれだけやっておけば大丈夫、と言われても、1週間たっても腐らないほど防腐剤が加えられている肉は与えたくない。

だからわたしのうちでは、先代猫のときからカリカリと「冷凍」生肉の2本立てだ。冷凍生肉は、カンガルーのミンチかラム／ビーフ／チキンのミックスミンチだが、カンガルーはあまりに脂質が少ないのでココ数年は後者のほうがいいと獣医に言われている。これには、防腐剤など一切添加物なし。純粋な生肉だけの冷凍パックだ。
左側のパックがそれ。

すでに数週間前から、それまで手をつけようとしなかったカリカリ（ロイヤルカナンの仔猫用）をとるようになったので、これは置きっぱなしでいつでも食べられるようにしてある。そして、朝晩2回生肉だ。このほかに鶏肉と首骨のミックスミンチもあいちゃんの食卓にはもちろん登場する。冷凍生肉と半々ぐらいだろうか。「あいちゃんの食卓は日本の猫食とちょっと違うかも」に書いたとおり、オヤツの首骨も時々。

その話をすると、おじさんは「じゃあ、今日さっそく冷凍生肉を買ってこなければね。だっておとといも昨日もProtacatをあげたのに食べないんだ。カリカリは食べているよ。でも、心配だったから、仔猫用の肉汁入り缶詰をやってみた。仔猫たちはあのソースが好きだからね。そしたら、ソースはきれいになめちゃったけど肉には手をつけていないんだ」

にんまり。
これも、わたしだってすでに試している。あいちゃんは、缶詰やパックのウェットフードは好きじゃない。いや、好きじゃないというのは語弊があるが、肉汁だけしか舐めないというのは本当だ。

おじさんは、結構色々試してくれているらしい。
ちゃんと言っておかなかったわたしがいけないのだが、まさかおじさんの言う「生肉」がProtacatだとは知らなかったので。

「それ以外はなにも問題ないよ。目薬もカルシウムも1日2回やっているし、でもブラッシングはほんの少し嫌がるねえ。無理矢理やるけど。わっはっは。だって、ブラッシングは一生必要だからね。」

あいちゃんはまだ毛が短いのでわたしはコーミングだけだったけれど、おじさんに言わせると「ブラッシングのほうが皮膚の血行もよくするから、コーミングだけでちょんちょんと毛流れを整えるだけじゃだめだよ」と。
は、はい、わかりました。

とにかく、あいちゃんは大丈夫みたいで、ひとまずはほっとした。また数日後にかけてみるが、このぶんなら次回もあずけられそうだ。
ウンチをどこにしているか…..は訊いていない。怖くて訊けない（笑）。もしかしたらキャッテリーで治るんじゃないかという期待をこめて、黙っていようかなとも思う。

しかし。
わたしのほうがすでに禁断症状が出ているんだけど。

あいちゃーん。淋しいよう。

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