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裏庭の野良猫母子 その8「仔猫捕獲」

朝、またとても早く目が覚めた。まだ外は薄暗い。
支度をしてゆっくり珈琲を飲んでいたら、少しずつ頭がハッキリしてきた。と同時に、やはり少しずつ外が明るくなってくる。手が震えていたのは、そのハッキリしてきた頭の中で、これからやらなければならないことを反芻していたからだ。こういう前代未聞の緊張感というのは、普通の生活を普通に送ってきたわたしには絶えられないほどなんだ。

一昨日と同じように、ツナ缶少しといつもやっている生肉も入れた皿をケージに置く。そっと運んでドアのロックの仕掛けを確認し、家の中に入らず、ケージがかろうじて見えるように裏ドアにへばりついてじっと待つ。

見えてはいないけれど、ケージのドアがすとんと落ちる音が聞こえた。
あまり足音をたてないように近づくと、あのクロシロ仔猫がかかっている。やっぱり、お前が一番だったんだね。庭のテーブルの上に置き、軍手の手を入れて掴む。全く抵抗はしないが、「しゃー」と1度だけ小さく威嚇した。掴んだまま、亡きゆきちゃんの猫キャリーに入れる。他の猫たちに気づかれないように、わたしは終始無言だ。

そのまま、もう一度家の中に戻り、少しだけツナをつかんで少しケージの中の餌に足した。そしてもう一度罠を仕掛け、待つ。
また、すとんと落ちる音。近づいてみると、今度はグレーの雉トラ仔猫がかかっていた。ビックリして見開かれた目に、心が締めつけられる。最初と同じようにテーブルの上に置き、軍手をはめた手で掴もうとしたが、グレーのほうが暴れる。しゃーしゃーも怖いくらいだ。かまわず進み、ぐっと掴みそのままキャリーに入れた。入れたとたん、もうへなへなとへたりこみそうになった。わたしのほうが息も荒いし、心臓もバクバクしている。第一どうして涙が出るんだ。

グレー仔猫は全く食べてもいなかったので、ケージを仕掛けてもう一度待った。時計を見るとすでに9時に近い。1時間目の授業がないので理由を言って主任に了解をとったが、これ以上待っていたら、シェルターに行ってからでは2時間目に間に合わなくなる。茶仔猫と母猫は今晩か明日だ。

キャリーを覗くと、クロシロがじっとこちらを見ている。いつもわたしを見ていたベイビーブルーの目だ。仔猫は最初の数週間どの子も目が青灰色で、段々と色が変化する。クロシロの目はその変化前の赤ちゃんの色だった。庭で最後までこちら側で遊んでいたのも、他の子が逃げてしまったのにこちら側で固まっていたのも、この子だった。いつも一番あとにノロノロと隠れたし、塀のレンガの向こう側でもいつもこちらに近いほうにいた。だから目は毎日合っていたよね。他の子たちはあまりわたしに関心がなかった。

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キャリーの中で威嚇もせずに、あきらめたようなその目を見ていたら、なんだか大声を上げて口をへの字に曲げて、思いっきり子供のように泣きたくなった。悪いことをしているわけじゃない、と思ってはいるが、それでも幼い仔猫にとっては恐怖以外の何物でもないだろう。その気持ちを考えたら、わたしのほうが泣きたくなった。

browntrap.jpgキャリーに毛布をかぶせ、バックシートに載せて車を出発させたのは、だからもう少したってからだ。

シェルターに着くと、仔猫たちはしゃーしゃーと言うこともなくおとなしく掴まれて、1匹ずつシェルターの箱に入れられた。このぶんならたぶん、数日から数週間で人間に慣れるだろうとのこと。ワクチンも打ってくれるし、食事もたっぷり、里親も探してくれる。わたしのほうも寄付をたっぷり置いてきた。将来、誰かやさしいひとにもらわれて人間と共存する幸せな生活を送ってほしい。

もう1匹の茶仔猫も捕獲すれば心配ないが、問題は母猫だ。
シェルターに持ち込めば、人間に慣れるようにボランティアのひとたちが面倒を見てくれる。しかし、もし何ヶ月たってもダメな場合、処分されるかもしれないとのこと。そのときにはわたしに連絡してもらうことにした。避妊手術して外猫として面倒をみたい、と。そこで初めて、シェルターの女性は難色を示した。「また野良猫として放すわけにはいかないのよ」
その言葉に「そうですか」と言っただけだったが、1度もらい受ければ何とかなるだろう、とわたしは気楽に考えていた。そうではないことに気づくのにそう長いことはかからなかったが。

夕方帰宅すると、茶仔猫が罠にかかっていた。一番の暴れん坊だ。まるでバッタのようにケージの中であちこち飛び跳ねている。止まれば威嚇だ。怖くて触れず、毛布をかけてケージごとそのままシェルターに車で運ぶ。着いて兄弟たちと一緒にされたら、おとなしくなった。

クタクタになって「もう1度」帰宅。すると、隣家のニワトリ小屋の屋根から母猫がこちらをじっと見ている。仔猫3匹全ていなくなったから、わたしを恨んでいるのでは、と怖くなった。ところが、いつものように餌を出して引っ込んだら、飛び降りてすぐ食べ始めた。ゆきちゃんの残りのカリカリに生肉なんか混ぜた豪勢な餌は、他のところではもらえないようだ。母猫は朝食べていないから、ものすごく空腹だったんだと思う。餌を待って「本当は見たくもないわたしが帰宅するのを見える位置にいた」ってのがかわいそうだ。でも、これならまた明日罠を仕掛けられる。

母猫は、また放すにしても避妊手術を受けさせてやりたい。このまま野良猫として毎年2回も妊娠を続けるなんて、考えただけでも悲しくなる。

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